タスペーサーという言葉、聞いたことはあるでしょうか。

スレート屋根塗装の際に使う、約５ｃｍ×４ｃｍのポリカーボネイト製の小さな器具です。

この小さな器具は、特にスレート屋根にとってとても重要な役割を持っています。

スレート屋根は雨をどう防いでいる？

軽くて安価で耐震性に優れたスレート屋根は、日本の住宅によく使われています。

もちろん浜松市の住宅にも多く使われています。

スレート屋根は幅９１ｃｍ、高さ４１．４ｃｍのスレート瓦を屋根の下地に打ち込んで葺いていきます。

このとき、継ぎ目が必ず空きます。

でも大丈夫、スレート屋根はスレート瓦を互い違いに重ねていくので、

継ぎ目の下にもスレート瓦が来る形になります。

ただし、この構造上、どうしても継ぎ目から水が入り込むことになります。

そこで、入り込んだ水がすぐ出ていくように、

重ねたスレート瓦と瓦の間は数ｍｍ程度空いているようになっています。

タスペーサーの役割とは？

せっかく空けてあるスレート瓦とスレート瓦の重なり部分の隙間ですが、

屋根の塗装をすると塞がってしまうことがあります。

塞がってしまうと継ぎ目から入り込んだ水が出ていかずに、

屋根の中に染み込み、雨漏りや腐朽の原因となってしまいます。

また、隙間が狭すぎると今度は毛細管現象により水が吸い上げられてしまい、

やはり屋根の中に染み込んで雨漏りや腐朽の原因となってしまいます。

この、重なり部分の隙間をちょうどよく確保していくために使うのが、タスペーサーです。

タスペーサーをスレート瓦とスレート瓦の間に差し込むことで、

ちょうどよい隙間が確保できるようになっています。

タスペーサーはどう使っているの？

タスペーサーは、屋根塗装の際、洗浄後もしくは下塗りのあとに差し込み作業をします。

屋根材と屋根材の隙間の大きさを見ながら、スレート瓦1枚につき1つを差し込みます。

差し込みが完了したら、上塗りを行います。

タスペーサーは実は全部の屋根に差し込むわけではありません。

紫外線等により瓦が反っている場合など、４ｍｍ以上の隙間が最初から空いている場合には、

差し込みません。

タスペーサー挿入以外の方法はあるの？

タスペーサーが無い時代には、「縁切り」といって、

カッターなどを使い塗装後のスレート屋根の隙間を一枚一枚切り込んで隙間を空けていました。

地道な作業なので、とても時間がかかり、その分の作業料がかかってしまいます。

また、せっかく塗った屋根に上がり塗装にカッターを入れるため、

屋根を汚してしまうことがあります。

縁切りが不十分だと屋根の腐朽や雨漏りの原因になってしまうため、

タスペーサーを使ったほうが確実に腐朽や雨漏りを防ぐことができます。

タスペーサー代はかかりますが、作業コストが段違いに少なくなるため、

トータルで見てタスペーサーを入れるほうがお客様にとってもお得なのです。

ウチケンではタスペーサーを使って、お客様にも安心な屋根塗装を行っています。

屋根塗装の際、縁切りやタスペーサーという言葉が出たら、

ぜひこの記事を思い出してくださいね！

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